映画『愚か者の身分』について⑥
こんにちは、ジャリです。
ある出来事が発生する。
複数人が関与し、役割分担が存在する状況として描かれる。
初期段階では、関与者の数と行為の広がりが示される。
勧誘、紹介、連鎖といった流れが断片的に配置される。
しかし進行とともに、焦点は一人の人物へ寄せられていく。
判断、失敗、結果が個別の行為として整理される。
他の関与者の動きは背景へ退く。
同じ構造に関わっていた人物の選択や結果は描写されない。
出来事の原因は、個人の判断や性格に帰属される。
集団で成立していた行為は、個人の問題として再構成される。
処罰や被害の描写も、個人単位で完結する。
組織的な継続性や再発性には触れられない。
視点は固定される。
他の関与者のその後や、構造自体の存続は語られない。
集団として成立していた行為は、物語上で分解される。
残るのは、一人の選択と一人の結末である。
複数人が関与していたという前提は保持されるが、
進行上の重心は個人へ移動したまま戻らない。
