映画『教皇選挙』について⑧
こんにちはジャリです。
選出が完了し、役割が確定する。
名前が告げられ、形式上の移行が行われる。
肩書きは更新される。
立つ位置が変わり、呼称も切り替わる。
周囲の対応は統一され、進行は新しい段階へ進む。
それでも、場の構造は即座には変化しない。
発言の順序、沈黙の扱い、視線の動きは以前と同じ配置を保っている。
決定が下されたあとも、判断の重心は分散したままである。
新たな中心は示されるが、周囲の距離感は調整されていない。
祝賀の動作が終わったあと、通常の進行が再開される。
議事の流れは継続し、例外的な扱いは設けられない。
外部に向けては変化が明示される。
内部では、既存の手続きが優先される。
切り替えは段階的に進み、断絶は生じていない。
沈黙の位置は変わらない。
言葉が集まる場所と、回収されない場所の区別は維持されている。
選出によって終わったものがある一方、
終わらなかった要素も同時に残されている。
それらは整理されず、問題化もされない。
役割が更新されても、
制度の運用は同じ速度で進行する。
人の配置が変わっても、構造は継続する。
変化は宣言される。
継続は説明されない。
両者は同じ時間に並置されている。

