映画『教皇選挙』について⑦
こんにちはジャリです。
選出が告げられ、場の空気が切り替わる。
拍手が起こり、祝福の所作が共有される。
儀礼的な動作は滞りなく進む。
表情は整えられ、定型の言葉が反復される。
進行は予定された順序を外れない。
同時に、動きの間にわずかな間が挟まる。
視線が揃わない瞬間があり、反応の速度に差が生じる。
その差は言語化されない。
祝福は否定されない。
疑義も提出されない。
どちらの行為も、手続きの外側に出ない。
外部に向けた合図は明確である。
内部の配置は変えられないまま、外向きの形式が優先される。
境界線は維持される。
祝福の動作は集団で行われる。
違和感は個別に留まる。
共有の回路は交差しない。
進行は続き、次の段取りへ移行する。
直前の間は回収されず、記録にも残らない。
出来事は完了として扱われる。
祝福が成立しているあいだ、
違和感は問題として扱われない。
問題として扱われないまま、消失もしない。
形式は整い、場は収束する。
同時に、整えられなかった要素が場の外縁に残る。
両者は同じ時間に存在している。
