ある表現や場に触れたとき、即時の反応が起きない。
理解や判断が保留されたまま、時間だけが経過する。
役割が提示されない。
受け取る側に、達成や変化を求める前提が置かれていない。
参加や関与の条件が明示されない。
多くの表現では、目的が先に配置される。
役に立つこと、前向きであること、正しさを示すことが期待される。
その期待は、暗黙の役割として共有される。
ここでは、その配置が見られない。
意味づけは行われず、価値の証明も要求されない。
反応が起きなくても、進行は妨げられない。
最初の反応は軽い戸惑いである。
何を受け取ればいいのかが示されないため、立ち位置が定まらない。
その状態は短時間で解消されない。
次に起きるのは、緩やかな静止である。
何かを理解しようとする動きが減少し、
代わりに、その場に留まることが許容される。
評価が発生しないため、比較も起きにくい。
優劣や成果が参照されず、関与の密度は個別に保たれる。
同じ場にいながら、反応は統一されない。
この状態では、離脱の理由も発生しにくい。
得られたものが測定されないため、継続の根拠も求められない。
滞在は、目的ではなく結果として生じる。
外部から見ると、何も起きていないように見える。
内部では、判断が発生していない状態が維持されている。
その維持自体が、特別な操作を必要としない。
意味が付与されないまま、時間が経過する。
価値が確定しないまま、場は残る。
理解されないことが、問題として扱われない。

